全国カラオケ事業者協会


2021年度事業報告
概要 2020年の4月から5月にかけて全都道府県に発出された1回目、そして2021年1月から11都府県に発出された2回目、昨年度は都合2回の緊急事態宣言がカラオケ市場に大きな打撃を与えた。迎えた本年度(2021年度)は、早々の4月5日、大阪と兵庫に発せられたまん延防止等重点措置が1週間後の12日には東京・京都・沖縄が加わり、4月25日には3回目の緊急事態宣言発出となった。その後、第4波やデルタ株による第5波の到来に、宣言は解除日の延期に延期を重ね、結局9月末までの5ヶ月間に及んだ。10月の解除後は一時5千人に達した東京の感染者数が30名を下回るほどの異常な減少となり、おかげで街に活気が戻った。しかしながら、終息期間も束の間、今度は感染力が更に強いオミクロン株によって2022年1月9日、沖縄にまん延防止等重点措置が発令され、瞬く間に各地に適用が拡がり、解除期間(東京など3月21日)は様々なものの適用範囲は36都道府県に及んだ。まさに本年度は、その事業期間の大半、約3/4がコロナの制約下に置かれる1年になった。
 新型コロナウイルス伝搬当初から、歌うことが大声を出すことに繋がり、飛沫によるリスクを指摘されてきたカラオケは、2021年4月1日の政府・基本的対処方針で「カラオケ設備の利用自粛」が盛り込まれ、更に大きな打撃を被ることとなる。協会としては、「感染対策を講じた歌唱は安全である」ことの正当性を政府や自治体に再三の陳情や要望書提出で訴える一方、カラオケ設置店へ「ガイドライン実施宣言ステッカー」発行システムによる感染対策の実践を促し、安全性の確保とイメージ向上に努めてきた。こうした業界努力が実り、「カラオケ設備の利用自粛」は、11月19日の政府・基本的対処方針改訂により削除されるところとなり、カラオケ設備は「利用自粛」ではなく、制約はあるものの緊急事態宣言下であっても「提供可能」になった。よって、これまで散見された「カラオケ設備の利用自粛」を唱える自治体は現在存在しない。
 他方、内閣官房の要請を受け「昼カラオケ」実態調査と感染対策集中指導を実施。新たな知見に基づいた業種別ガイドラインの改訂(2021年6月4日、2021年11月9日)、「ガイドライン実施宣言ステッカー」発行システムへの第三者認証制度導入と「ガイドライン点検認定者研修プログラム」の開講、ガイドライン改訂に伴う周知チラシ(お客様へのお願い)作成・配布、専門家による換気対策の巡回指導など、コロナ禍での事業再開に向けた支援も行ってきた。主な事業としては、酒場市場活性化とカラオケ有料化促進、マスク着用歌唱啓発策として「歌ってラッキーキャンペーン」を実施、「スナックdeカラオケnavi」を導線としたスナック女子の醸成など、コロナ禍で出来る限りの利用活性化策を実施した。「カラオケ文化の日」事業として実施した「医療従事者への『感謝の手紙』大募集」と「感謝の手紙」(歌・ハナフサマユ)による「『医療従事者応援ソングを歌って医療の現場を支援しよう!』チャリティプロジェクト」。また、歌う気運を盛り上げるCOWCOWの「あたりまえ体操カラオケバージョン」動画制作を行った。併せてJASRACとの間に交わした協定に基づく無許諾利用の解消と発生防止を推進、全国アンケートの実施並びにこれに基づく「カラオケ白書 2021」の発行や制度を新たにした「カラオケエンジニア検定」、など継続事業を実施した。
組織委員会
 業界規範に基づく市場の問題点収集を行った。また、顧客への不公平を是正する契約書条項内容に則した対応の浸透や業界の健全発展を阻害する要因の払拭に努めた。
 ホームページ内の会員サイトによる会員間の情報交換と協会の活動情報開示を進め、情報の共有化を図った。また、「カラオケ産業の維持・発展、並びに生涯学習としてのカラオケ施設利用促進を目的とするユーザー団体「カラオケ使用者連盟」の会員勧誘に協力した。
 技能認定講座「カラオケエンジニア検定」は本年度から新制度へと移行し、1期生として2級(旧・初級)講座へ186名(延べ合格者483名)が、1級(旧・中級)講座へ116名(延べ合格者195名)が、そしてエキスパート(旧・上級)講座に71名がそれぞれ受講。最上位のエキスパート認定者は339名になった。
事業委員会
 酒場市場活性化とカラオケ有料化促進、マスク着用歌唱啓発策として「歌ってラッキーキャンペーン」を1月~3月を期間に実施。期間中は「スナックdeカラオケnavi」のTwitter連動企画も展開した。また、歌う気運を盛り上げるCOWCOWの「あたりまえ体操カラオケバージョン」の動画を制作した。カラオケ文化の日公募「医療従事者への『感謝の手紙』大募集」を行い、優秀内容を「カラオケ文化の日」(10月17日)に発表すると共に内容をモチーフとした楽曲「感謝の手紙」(歌・ハナフサマユ)を発表、同曲による「『医療従事者応援ソングを歌って医療の現場を支援しよう!』チャリティプロジェクト」を10月17日から11月30日を実施し、集まった基金(329,240円)を特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンへ寄贈した。スナック女子が実際にお店を訪問して感想を伝える「スナック女子のオアシス広報委員会」を月刊カラオケファンへ連載するなど、スナック女子醸成に努めた。
渉外委員会
 著作権擁護の観点からJASRACとの間で結ぶ「カラオケ利用の適正化事業に関する協定」を更新(第13期協定)し、無許諾利用の解消を図る一方、「一体型契約申込書」の利用促進に努め、無許諾利用の発生防止に取り組んだ。
 次に、消費者センターや法律相談所に寄せられる顧客からの疑問や質問に、「クレーム110番」で対応し、協議機関という立場で問題解決を図ると共に、コロナ禍で新たに発生する顧客の不信感払拭に努めた。また、業界の現状を調査する市場アンケートを全国規模で実施し、その結果を「カラオケ白書2021」にまとめ発行した

前へ 協会ニューストップへ 次へ
1 2 3 4 5 6 7