全国カラオケ事業者協会


 通常はエモーション「A(Activating Events)」があって、その後にリアクション「C(Consequence)」があるという考え方でしたが、実は困難に出会った時に、真っ先に頭の中で瞬時に考えています「T(Thoughts)」。それによって感情が沸き起こって反応まで出しているのです。
 例えば、今朝上司に挨拶をした時、私と目が合わなかった。この時に考えた事は「やっぱり上司は、私の失敗を許してないのかな」と感情としては「悲しい」や「怒り」だったり、そんな反応や対応をするんだったら、できるだけ触れないようにしていよう。「会わなければ会わないでおこう」という感情の順番に思考あるいは行動を選択しています。
 「上司から難しい依頼の仕事が来た」その時に皆さんはどうしますか。「あせった」「頭にきた」「難しくて不安」または「嬉しい」といった感情の前に、実はここに「考えた事」というのが間に挟まっています。そういった事がATCモデルの理論です。すなわち、どのように考えたか捉えたかによって気持ち感情とそれによって訪れる反応が変わるという事です。
 「あせった」「頭にきた」という人の反応(対応)が「できる人を探します」だったとすると、その間に挟まっていた考え方は「無理だから」「私の仕事量を理解しているのか」「そんな仕事は対応できない」だったりします。
 「嬉しい」と思った人は「ありがとうございます」「私の事を信用して難しい仕事を振ってくれた」と言う考え方、捉え方をする事によって、その後の反応、対応が変わってくるのです。

●「考えた事」と「感情」を切離して考えてみる
 出来事が「ミーティングの時に自分の意見を取り上げてくれなかった」という時に、感情をもたらす結果を書いてみて下さい。「意見を取 り上げてくれなかった」そんな時どう思いますか。そしてどんな反応をしますか。なぜならばこういう理由だから。そういった出来事を考えた事を書く場合はポジティブでもネガティブな感情でも結構です。

●思考スタイルとATCモデル
 ◉ATCを分離する
「出来事」「考えた事」「もたらす結果」を切離す
 ◉「考えた事」を見つける
 パフォーマンスを下げる「考えた事」を明らかにする
 ◉「考えた事」を異なった内容に変えてみる
 思考の柔軟性を得るために「考えた事」を変換してみる。

 ATCモデルを学んで感情を揺さぶられるような出来事が発生したら、気持ち、感情が直ちに湧いてきている。それによってリアクション、反応してしまう。これが出発点でしたが、「考えた事」に注視してみる事で、「出来事」と「考えた事」「もたらす結果」を分けてみる。そして、「考えた事」を変換してみる事によって思考の柔軟性が生じるのを実感いただけたかと思います。
 「考えた事」を見つけたり、変換してみる事は、訓練すればそのスピードが縮まり、バリエーションが増えます。多くの選択肢から最適なものを選ぶ事ができれば、様々な行動ができます。また感情のコントロールも身につきます。ただ、柔軟性を高めるには、決してポジティブ一辺倒で考えないようにも心掛けましょう。

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